広島地方裁判所 昭和42年(う)108号 判決 1967年3月02日
本店所在地
広島県三次市十日市町二二〇〇番地の九
商号
株式会社 原田興行社
右代表取締役
原田ツ子コ
本籍並びに住居
三次市十日市町二、三九三番地
土建業
原田保
大正八年九月九日生
右の者に対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は検察官山本視淑立会の上、審理をして次のとおり判決する。
主文
被告人会社を罰金五〇〇万円に、被告人原田保を懲役六月に処する。
但し、被告人原田保に対しては、三年間右刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人会社株式会社原田興行社は、三次市十日市町二、二〇〇番地の九に本店事務所を有して土木建築業を営むもの、被告人原田保は同会社の専務取締役であるが、被告人原田保は同会社の業務に関し所定の法人税を不正に免れようと企て
第一、同会社の経理担当者である中岩雄と共議のうえ、同会社の昭和三八年四月二七日より同三九年三月三一日までの事業年度における所得は一一、三九八、九〇六円であり、これに対する法人税額が四、二三一、九六〇円であつたにもかかわらず正規帳簿を作成せず、決算にあたつて著しく利益を減殺した決算書を作る等の方法により所得の一部を秘匿し、同三九年五月三一日所轄三次税務署において、同署長宛に、その所得金額が六一一、〇二四円、法人税額が二〇一、六三〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、よつて不正行為により同年度における法人税四、〇三〇、三三〇円を免れ
第二、同会社の昭和三九年四月一日から、同四〇年三月三一日までの事業年度における所得は二四、七八九、四八五円であり、これに対する法人税額が九、二六九、九七〇円であつたにもかかわらず、前同様の不正手段により所得を秘匿し、同四〇年五月三一日前記所轄三次税務署において、同署長宛に、その所得金額が一、二〇七、五九六円、法人税額が三九八、四七〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、よつて不正行為により同年度における法人税八、八七一、五〇〇円を免れ
たものである。
(証拠の標目)
一、証拠調べ請求書3、6、9、10、21、乃25、35、28、38、30、31、35、36、37、39、40、41、42、56、57、58、66の各証拠
一、被告人原田保の当公判廷における供述
(確定裁判)
被告人原田保は、昭和四一年一月二五日広島地方裁判所で恐喝罪により懲役一年六月三年間執行猶予に処せられ、右裁判は同年二月九日確定したもので、右は同被告人に対する前科調書により明らかである。
(法令の適用)
被告人原田保に対し、
昭和四〇年三月三一日法律第三四号付則第二条、第一九条同法による改正前の法人税法第四八条第一項、刑法第四五条前段、後段第五〇条、第四七条第一〇条(なお第一事実につき同法第六〇条)第二五条
被告人会社に対し、右法人税法新旧各法案の外改正前の同法
第五一条、刑法第四五条前段第四八条。
(裁判官 小竹正)